2021/03/16
ホンダ ジャイロX 坂道を登らない? 茨城県日立市バイク修理 澤畑モータース
以前からプラグ交換やちょっとした調整などでたびたびご来店のお客様。
以前から調子が悪いらしく、「キャブレターの分解掃除を・・・」といっていましたが、
今回どうにもならなくなって持ち込まれました、話を聞けば「坂道を登らない。」とのこと。
試乗してみますと、エンジンの回転数は上がっていくのに、加速せず力が無いような感じです。
ご本人はキャブレターを気にしていましたので、分解清掃も含めて点検してみることにしました。
キャブレターを外すには左後ろ側のホイールを外すと作業が楽にできますのでついでに
ドライブベルトやプーリー、ウェイトローラーの状態も見てみることにしました。
走行距離28,590㎞走行していますので、以前に交換していなければドライブベルトも交換ですが・・・
ベルトは切れていませんでしたが、ベルト幅がかなり細くなっています。
左が新品、右が今回ついていたものです、新品と比べても明らかに「細い」と分かります。
クランクシャフト側の「ドライブプーリー」を見てみますと、
表面は荒れていて、段差までついています。
ドライブプーリーを変速させる「ウェイトローラー」も一部削れてしまったものがあり、
これではきちんと転がらずに変速しないでしょう。
左が新品、右が使っていたもの。
クラッチウェイトの「シュー」もかなり減っていたのでこちらもついでに交換してしまいます。
ドライブベルトは50㏄のスクーターであれば大体20,000㎞くらいで劣化、切れてしまいます。
今回の場合、ここまでベルト幅が減るのは珍しいです、ドライブプーリーの素材はアルミですので
表面が錆びていて、ベルトを削ってしまったのでしょう。
以前新車から約2,000㎞程走ったスクーターが「最高速度が落ちた。」と言われたことがありました。
試乗して確かめたところ、確かに最高速度まで出ません、
調べてみたところ、新品のドライブベルトと比べると、0,2mmベルト幅が細くなっていたことがあります。
たった「0,2mm」ですが細くなったことにより、速度で4~5㎞程スピードが落ちてしまいました。
今回はキャブレターのオーバーホールも含めて、ドライブベルト、ウェイトローラー、ドライブプーリー、
クラッチウェイトのシューを交換して正常に走行することを確認、お客様へ納めさせていただきました。